がん治療にかかる費用 | がん保険の超初心者ガイド










がん治療にかかる費用

手術

がんにかかった時の治療方法は、大きなものとして「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」の3つがあり、これらは一般的に『がんの3大療法』と言われています。

がんの種類や部位によって、この3大療法のどの治療を選択するか、また他の治療方法と組み合わせるかなどが検討され、実際の治療が進められて行くことになります。

治療内容と効果

がんにかかった時に、そのがんが存在する部分やその周辺、またリンパ節などの器官を物理的に切除するのが、手術による治療方法です。
特に早期に発見され、がんがあまり広がっていないような場合には効果的な治療法になります。

従来手術は身体にメスを入れることになるため麻酔も必要で、術後の体力の回復にも時間がかかることが多く、患者への負担は大きくなりがちでした。

しかし、昨今の医療技術の進歩によって、内視鏡を用いてのがんの切除や、身体に2~3個の穴を開けてそこから器具を挿入する腹腔鏡などの手術方法も確立しており、かならずしも患者に大きな負担がかからなくなって来ており、手術治療にともなう入院日数も減ってきているのが実情です。

手術治療にかかる費用

手術に掛かる費用は、がんのできている部位や手術の方法によって大きく異なります。
たとえば、胃がんで胃の一部を摘出するような手術の場合は、平均で130万円ほどと言われていますが、内視鏡によって胃粘膜にできたがんを取り除くような場合では、30万円ほどであるとされています。
そのため、がん保険や医療保険に付帯している手術給付金の額は、がんの部位や手術方法によって支給額が異なってくるものもあります。

抗がん剤治療・化学療法

治療内容と効果

がんのできた部位によって手術が適用されないような場合や、手術をしてもがんを切除しきれなかった場合、または手術の後に再発を防ぐ目的などのために抗がん剤治療を行うことが多くなります。

抗がん剤の他、ホルモン剤や分子標的薬などの様々な薬を用いた薬物療法を、あわせて化学療法と言います。
がんとは簡単に言えば体内にできた異常な細胞が、際限なく増殖してしまうものですが、抗がん剤はその異常な細胞に入り込み破壊し、それ以上の増殖を抑えようとする薬です。

手術や放射線治療による治療は、がんのできた部位のみに局所的に行われる治療法ですが、抗がん剤などの薬物は、体内に入れることで全身に作用することがほとんどです。
ですから、発見されていない転移がんなどに対しても有効になります。

しかし反面、正常な細胞に対しても作用してしまうので、どうしても強い副作用がでる傾向があり、患者の負担は大きくなりがちですが、最近ではがん細胞のみを攻撃する抗がん剤も開発されてきています。

抗がん剤治療にかかる費用

抗がん剤は効果が現れるまでに時間がかかるため、費用はどうしても多くかかってしまう傾向があります。
抗がん剤治療を行う場合にはまず治療計画がたてられますが、これは抗がん剤を投与する期間と休止する期間を数週間単位で繰り返すもので、1クール5~6週間であることが一般的です。
効果を見ながら、それを何クール続けるかを決めて行きますが、1クールにかかる概ねの費用は100万円ほどであることが多いようです。

放射線治療

治療内容と効果

がん細胞に対して放射線を照射し、がん細胞を破壊させようとするのが放射線治療です。
手術ができない部位にがん細胞があったり、高齢など体力がなく手術ができない患者に対して身体への負担の軽減のため、または再発の予防のためにも放射線治療が選択されることがあります。

放射線治療の方法は大きくふたつに分類されます。
そのひとつの「内部照射」とは、体内のがん細胞の付近に放射線物質を入れる方法で、もう一方の「外部照射」は身体の外からがん細胞に向けて放射線を照射する方法です。

照射の方法によっては、がんのできている付近になる正常な細胞にも放射線が照射されてしまうこともありますが、基本的には放射線照射によって痛みなどを感じることはないので、手術や抗がん剤による治療と比較すれば、患者の身体への負担や副作用は少なくなります。

放射線治療にかかる費用

放射線治療にかかる費用は、その方法や部位によって異なるものですが、一般的に3センチメートルほどの大きさのがん細胞に対して行われる「定位放射線照射」ですと60万円ほどのようです。

放射線治療は他の治療方法に比べて新しい治療法なので、年々新しい技術も研究開発されています。
その中で、一般的な定位放射線照射は公的健康保険が適用される治療方法になりますが、先進医療と呼ばれる治療方法を選択する場合には、保険は使えず全額自分で負担することになります。

具体的には、重粒子線や陽子線などの放射線治療がそれに当たり、まだ一部の特定の医療機関でのみしか治療を受けることができません。
掛かる費用としては、およそ300万円ほどと言われています。

これらの健康保険が適用されない先進医療にかかる費用をカバーするために、各保険会社ではがん保険に先進医療特約を付帯できるようになっています。
その他、いくつかの治療法を併用したり、何度も受けることになった時に備えるための保険もあります。

がん治療にかかる費用

がんの治療にはこのように様々な種類があり、患者によってそのどれを選択するか、または組み合わせるかは大きく異なるため、がん治療にこれだけかかると言ったことをはっきり名言することはできません。
しかし、厚生労働省の調査によればあくまでも目安ではありますが下記のようなデータが出ています。


このように、自己負担の平均としては20万円ほどであり、しかも「高額療養費制度」を利用すれば上限でも月額で80,000円ほどの負担です。
その程度であれば、保険など入らなくてもそれほど問題ではないと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ここで忘れてはならないのは「高額療養費制度」は月ごとの計算になるため、月をまたいだり何カ月にも渡って治療が続くような場合では、それぞれの月にこの上限額の費用がかかる可能性があると言うことです。

また、その他にもがんの治療によって仕事を休業しなければならなくなることもあるかもしれません。
そのような場合の生活費についても考えておく必要があります。

がんの治療においても、近年入院日数は短縮化されているますが、退院後も抗がん剤や放射線などの治療が続くのが一般的です。
がんに対して「5年生存率」と言う言い方をされることが多いですが、これはがん治療のひとつの目安として5年間再発しなければ、とりあえず治療や検査などを頻繁にやらなくてもよくなるということを表しています。

逆に言えば、5年間は定期的に検査や、再発を防ぐための治療が続くと言う意味でもあります。
もちろん5年間毎月検査を続けるということはないかとは思いますが、どうしても再発や転移の可能性を否定することができないがんと言う病気は、入院したり手術をすれば治療が終了するといった性格の病気ではないことも、忘れるわけにはいきません。